ベッセル・ヴァン・デア・コークの「身体はトラウマを記録する」という言葉は詩的な比喩であり、測定された事実ではない。本書が明かすのは、組織に刻まれた記憶ではなく、危険を予測することを学んだ神経系という実態だ。一卵性双生児研究が覆した「トラウマが脳を縮小させる」説、眼球運動を除いても効果が変わらないEMDRの謎、ポリヴェーガル理論への分野内部からの異議。測定と主張の境界線を誠実に引き直す一冊。
学べること:
- 驚愕反応と慢性痛が示す再現可能なエビデンス
- 同じ出来事でも発症率を分ける決定的要因
- 「予備的知見」と「証明」の違いを見抜く視点